08日 8月 2017 本と楽しむ京都 2 司馬遼太郎の『空海の風景』(中央公論社)は愛読書のひとつ。讃岐生まれなので、空海にはことのほか思い入れが深い。空海の活躍は、当然ながら京都を舞台としていた。印象深いのは空海と最澄の確執のくだり。空海の神護寺と最澄の比叡山。その間を手紙が頻繁に往き来するのだが、当時は車などない。下僕は山を降り、山に登り、徒歩で何往復もしたことだろうと想像する。ぬかるんだ、もしくは泥ほこりの舞う道を、京都の暑さ、寒さに耐えながら。 メール一本で済んでしまう今では、考えられない風景だ。 tagPlaceholderカテゴリ: